2005年02月24日

[底]Mr.Saxman Live at Emporium

 というお題目では決してないんですが、Koh Mr.Saxmanをリーダーとするバンド「Bangkok Retro Jazz」が、現在バンコクのEmporiumで毎週末に行われているEmporium Serenade Music Festival No.7の19日(土)のステージで演奏していたので、聴きに行きました。ちなみにこのライブはおなじみのところでチェックさせていただきました。

 4時開始と書いてありましたが、4時過ぎて着いてみればまだ音出しも満足にしてない状況。これぞThai time。でも既に客席は予約席を含めると9割方埋まっていて、僕もかえって立ってた方がよく見える位置に陣取れたので、ほぼ正面で立って聴くことにしました。
 しかし今回はかなり楽しみにしていったんですが、1曲目がちょっとどころでなく酷かったです。1曲目はMiles Davisの「So What」というジャズチューン。これをファンクっぽくアレンジして演奏していました。元々はテーマは静かでソロになって盛り上がるという曲なんですが、のっけからファンクビート+元気たっぷりでなんだか微妙な感じ。それも曲の形があまり見えなかったので、もし曲名を言われてなかったら逆に楽しめたかも知れません。テーマまでは。ソロは曲がどうこうでなく、普通にジャズとしてもファンクとしてもレベルが低かったんです。Kohさんのソロがこの日はどうも精彩を欠いていたのもありますが、それ以上に決定的だったのがベースとドラム。
 この日のベーシストはイタリアかどっかの人で、ドラマーはタイ人。どちらも最初ちょっと演奏したのを聴いただけで、すごく技術的にレベルが高いのはよくわかりました。が、1曲目の途中から4ビートに変わる演出だったんですが、ベースがファンクと4ビートを行ったり戻ったりし、ドラムはそれにうまく食いつけずに漫然と4ビートっぽいことをしていて、この2人のリズムがまるでかみ合わない上に不安定で、聴いている方は他の2人が何をやってても落ち着きません。ピアノだけはソロでも伴奏中でも4ビートの音を出してましたが、ベースとドラムは完全にポップ〜ファンクの人で、4ビートは全然ノレてない。これなら僕が去年の夏に合宿をした時のトリオの方がマシです。
 そんな惨状だったので、1曲目を終える頃には本気で帰ろうかどうしようか悩んでました。が、ドラムの技術レベルは文句なしに高かったので、それは参考になるかと思って場所を移動。1つ階を上がってドラムの動きが全部見える位置から聴いてました。

 そこから先はファンクっぽい曲が2曲あって、ヴォーカルの男性がゲストで登場しました。彼がうまい!「Over the Rainbow」や「Georgia on My Mind」などの名曲を豊かな声量と響きで歌い上げてくれました。これは本当に見事で、特にピアノとのデュオにKohさんのサックスが絡む「Over the Rainbow」では余計な要素がそぎ落とされて本当に美しかったです。
 彼が引っ込んでからは、このバンドの本領発揮のファンクポップ。確かにこういう曲をやると、ベースとドラムがしっかりかみ合い、少々ドラムがでかすぎるきらいはありましたが、安定感がありました。やっぱりKohさんのソロはいまいちでしたが、それを補って余りあるピアノソロには拍手を惜しみませんでした。
 という感じで、このライブではゲストのヴォーカルとピアノが抜群に光っていました。

 それから、先月まで苦しめられていた卒論で出したタイ・ジャズの今後について、いっそうの確信が得られた気がします。タイジャズはポップスの文脈で成長するしか道は残されていないように思うという結論を出したんですが、今回も「Bangkok Retro Jazz」というバンド名でレトロなジャズを示唆しておきながら、本当にレトロなジャズは失敗作の「So What」1曲のみで、残りはソロという要素を残してはいますが曲の形としては8ビートのファンクです。少なくともジャズではあれどレトロでは決してないでしょう。たぶんこれが、タイのジャズの主な形になるんじゃないかと思います。
 現在の日本のミュージシャンは結構コンテンポラリー・ジャズという、4ビートを軸に新たな要素を加えた形のジャズを主に演奏していることとは対照的です。別にタイ人も4ビートできないわけじゃないんですけど、たぶん興味があまりないんでしょうね。

 ちなみにこの時写真結構撮ったんですが、まだパソコンに写していないのでまた後日。
posted by alohz at 02:59| バンコク | Comment(3) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
alohzさん、おかえりなさい!
タイ旅行はいかがでしたか?
Emporiumライブの記事、興味深く読ませていただきました。Bangkok Retro Jazz Quartetのピアニストはタイ人ですか?ちょっと気になりました。
私のサイトに今回のalohzさんのレポートの事など書かせてもらいました。ついでにトラックバックも。
写真が載る日を楽しみにしています。
Posted by shinobu at 2005年02月25日 18:58
shinobuさん、いらっしゃいませ。
今回は音楽よりも書き物をし続けていました。それでも何もすることがなく、緩むだけ緩んだ感じです。
ただ、緩みすぎたおかげでライブはこれとMojo's1回だけ、せっかく地図を送っていただいたのにSax Societyにも行かずじまいに終わってしまいました。

さて、shinobuさんのサイトの方でも書きましたが、今回のメンバーは以下の通りです。

+Koh Mr.Saxman (ss,as,ts)
+Soe "ETC" (pf)
+Baeng "Takeshi" (b)
+Pong "Independents" (ds)

ただし、ベースとドラムはどっちがどっちかはっきりしません。たぶんこっちじゃないかと‥‥。
そしてスペシャルゲストが以下のお二人。

+Surut Preedarat (vo)
+Rawiwan Jinda (vo)

で、このお二人のうち女性の方は喉が痛いとかで挨拶だけで舞台を下りてしまい、歌っていたのはもう1人だけでした。
MCがもうちょっとちゃんと聞ければよかったんですけどね‥‥まだまだです。
Posted by alohz -master at 2005年02月25日 19:35
alohzさん、おはようございます。
タイでノンビリできたようで何よりでした。
私はEmporiumのライブレポートが読めただけで大満足です。
Bangkok Retro Jazz Quartetの活動に今後も注目していこうと思います。いつか本当にRetroなジャズが聴けたら嬉しいですよね。
Posted by shinobu at 2005年02月26日 08:34
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EMPORIUMのジャズライブ
Excerpt: 2月19日(土)にEmporiumで行われた『Bangkok Retro Jazz Quartet featuring Koh Mr.Saxman』のライブについて、底なしくずかごさんに詳しく書かれて..
Weblog: KOH Mr. Saxman Fan-site of J...
Tracked: 2005-02-25 18:44
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