2005年05月22日

[底]クビキリサイクル/クビシメロマンチスト

 1回投稿して消えたので、2冊まとめてしまうことにします。


クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い
西尾 維新
講談社 (2002/02)
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クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識
西尾 維新
講談社 (2002/05)
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 まず、この2冊はどちらも「楽しめる」話ではありません。語り部である戯言使いのいーちゃんの思考回路が地の文に織り込まれている(語り部なのだから当然)ために、彼の救いようのない思想が我々にも流れ込んできます。特に2冊目のクビシメ。
 ただ、酷い話であっても、全く楽しくはなくても、面白かったです。少なくともここや本箱に入れようと思うぐらいには。ついでに言うと、土曜日の昼間に某所マックでクビキリを読み終え、その帰り道にクビシメを買い求めてしまうぐらいに、僕は続きを求めてしまいました。

 クビキリとクビシメでは全くテイストが違います。クビキリは5人の天才を中心にしたお話で、すごいけど凡人、という語り部との間に溝があります。この溝は僕も同じように感じました。ですがクビシメでは、読み手はどちらかというと語り部よりも事件の中心の方に近い立場にいます。
 ですから、クビキリでは自分たちに代わって推理を展開していく、所謂名探偵ものの楽しみ方ができます。しかし、クビシメではそんなことはできません。語り部と読み手との同一性はどんどん失われていきます。
 どちらも驚くようなトリックが出てきます。物語の中心はあくまでも事件で、逆転の発想や思考の盲点を突いてくるようなタネがいくつも現れます。語り部もそれに対応できたりできなかったり。

 しかし、この2冊の特徴は、語り部の心情表現ではないかと思いました。彼の自分に対する、他人に対する思いは決して真似できず、また決して真似てはいけない類のものです。それが全編にわたって出てくるので、読んでいるとどんどん暗くなってきて、大変です。
 生き死にってなんだろうなーとか、友達ってなんだろうなーとか、まじめに考えようと思うと深みにはまりそうな感じがします。
posted by alohz at 04:56| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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